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ペットと同伴で移動したいヒトのために作られた優しさ溢れるガイドマップ

投稿者:武井 昭紘

◆ミシュランガイドとは◆
車のタイヤを製造するメーカーであるミシュラン社が、創業当時あまり普及していなかった車を利用したドライブを盛んにし、タイヤの交換を促進する目的で発行したことが始まりとされている飲食店に関するガイドブックである—–。

ご存知の方も多くおられると思うが、前述のような経緯から、今でも全世界の人々に注目され、愛されるミシュランガイドは生まれた。そして、この事象から言えることは、自社の利益に直結すること(タイヤを売ること)ではないが、間接的に関わる事象(ガイドブック)に着目することで、ビジネス(本業)の成功を実現できるということなのかも知れない。

 

これを、動物医療業界に当て嵌めて考えてみたい。

世界的に起きているペットに纏わる社会問題は様々あるが、例えば、動物虐待、保護動物の殺処分、ワーキングドッグへの無関心、ペットロスへの不十分な理解、ペットと一緒に利用できる移動手段の不足などが挙げられる。加えて、ミシュランガイドのように、これらの問題を一つ一つ解決していければ、動物福祉は向上し、ペットライフを満喫できるシステムが整備され、一般家庭で飼育される動物の数が増加していくものと予想ができる(少なくとも減少の一途は辿らないであろう)。

 

ここに、ヒントを与えくれる「ある動物病院」の取り組みが、ウェブ上に公開されている。

「Dog-friendly Tube map」

ペットロスに対する精神面のサポートにも積極的な姿勢を示しているブルークロスという動物病院グループが作成したマップで、イギリス(ロンドン)を走る地下鉄の路線図に、犬が利用「しやすい」エスカレーターや階段を設置している駅をマークで表示しているものである。

このマップによって、犬を同伴しやすい駅は一目で分かる。つまり、Dog-friendly Tube mapの利用者が増えれば、マップを作成した病院の名は知れ渡るとともに、犬に優しい駅周辺にペットオーナーが集まることが期待でき、そこに、既存の枠(診療圏内の近隣住民を対象にしたモデル)に囚われない動物病院としての新たなビジネスチャンスが生まれるのだ。

よって、今後、日本でも、Dog-friendly Tube mapをモデルにして、フィラリア予防薬の取り扱いマップ、専門診療マップ、ペットホテル対応動物病院マップなど、利便性の高いマップが数多く作成され、動物福祉の向上と動物医療業界全体の繁栄が実現することを願っている。

一例として、大型連休・年末年始のタイミングでは、年中無休の動物病院マップが便利なものになるのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.bluecross.org.uk/pet-advice/dogs-on-the-tube


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