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National Heartworm Awareness Month~フィラリアに関する情報を積極的に発信する4月~

投稿者:武井 昭紘

犬のフィラリア症は、春先(3月頃)から初冬(11月頃)にかけて活動する蚊が媒介する寄生虫病であるとともに、フィラリア成虫が心臓内寄生をすることから循環器疾患にも分類されているため、当該期間にフィラリア予防を推進することが望ましいと言われている。しかし、近年の日本では、人々の季節感を狂わせるかの如く、本格的な冬に入る12月に20℃、寒さが厳しくなる2月に15℃を超える気温を示す日が出現し、アメリカでは、竜巻の発生件数の変動に伴う犬のフィラリア症の増加が生じる程に、異常気象が非常に目立つようになってきた。故に、既存のフィラリア予防の概念を、こらからの気象条件に合せて再考する必要があると考えられ、「通年予防」の重要性を積極的に啓蒙していくことが、今後の獣医療が担う課題であると思われる。

そこで、4月に設定されているフィラリアに関する国際的な啓蒙月間を紹介したい。

「National Heartworm Awareness Month」

この活動は、フィラリア予防のガイドラインを提唱している米国糸状虫学会(American Heartworm Society、AHS)が主導して、世界へとフィラリアに関する様々な情報を発信する重要な1ヶ月間とされており、現在、大学・研究機関および動物関連団体が、SNSやウェーブページを通して、フィラリアとは何か?、フィラリアの感染経路、フィラリア予防の概要、フィラリア検査に要する時間などについて積極的な訴求をしている。

よって、これから、目が回るくらいに忙しく慌ただしい「予防の時期」を迎える日本の動物病院で働き始める新人の獣医師・動物看護師は、是非とも、自分自身がペットオーナーへ伝えられる「フィラリアに纏わる情報」を一つでも多く探し、発案して、National Heartworm Awareness Monthに合せて、冒頭の「通年予防」のように、意欲的に周知徹底して頂けると幸いである。

フィラリア症は、犬のみならず、猫にも起きますので、新人の皆様は、猫を飼っているオーナーに対して、どのようにフィラリア予防の重要性を説明するかについても、考えてみましょう。

 

参考キーワード:National Heartworm Awareness Month(SNSにてご検索下さい)


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