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手持ち花火で命の危機を迎えた犬に起きていた世界初の現象

投稿者:武井 昭紘

日本において、花火は「夏の風物詩」として高い人気を誇っており、イベント会場における打ち上げ花火、個人で楽しむ手持ち花火、何れも、これからの季節に最適なアミューズメントと言える。しかし、2019年3月、各地の歴史・文化として世界的に普及している花火をキッカケに、命の危機を迎えた犬の症例が報告されたため、注意喚起を促す目的で、本稿にて紹介したいと思う。

なお、オストラリアのメルボルン大学によると、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター(5歳、不妊雌)が、誤って手持ち花火を飲み込んだ後に筋弛緩および不整脈を呈したため、精査を行った結果、2000μg/Lに及ぶ血清中バリウム濃度を伴う低カリウム血症を認めたとのことである。これを受け、同大学は、当該症例に「急性バリウム中毒」が起きていたと結論付け、犬における世界初の症例であるとした。

上記のことから、炎色反応によって緑色に輝く「バリウムが含まれる」手持ち花火を、犬が誤飲・誤食しないように充分に注意を払う必要があると考えられる。また、個人的に花火を楽しんだ傍で、愛犬が苦しそうにしている場合には、是非とも、躊躇することなく、動物病院へ急行してもらえると幸いである。

急性バリウム中毒は、適切な治療を施せば、24時間以内に症状が消失するとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30861291


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