動物用に製品化された副食(オヤツ)は、オーナーと、その愛犬・愛猫とのコミュニケーションに非常に役立つツールとなるとともに、与えられる者、与える者、両者を癒し、幸せにできる至高のアイテムであると言って過言ではない。その一方で、オヤツは、ペットの体重管理を困難にし、皮膚病や消化器トラブルなどの各種疾患の治療を妨げるといったデメリットを発揮してしまう側面も持ち併せているため、獣医学的には、取り扱いに充分な注意を払うべきものであるとも表現できる。しかし、オーナーがペットに与える「オヤツの実状」について、獣医学の成書およびセミナーで触れられる機会は非常に少なく、獣医師が得られる情報に乏しいという印象は否めない。
そこで、ベルギーとイタリアの大学らによる「ある」調査を紹介したい。
なお、同大学らは、SNSを介して、2200名を超えるオーナーに「オヤツ」をテーマにしたインタビューを実施しており、以下の発表を行っている。
◆愛犬のオヤツに纏わる実状◆
・80%以上のオーナーがオヤツを与える習慣を持っている
・大部分のオーナーが風味や形よりも成分・効能を参考にしてオヤツを購入している
・ビスケットおよびデンタルトリーツが主流である
・1日に1〜5個のオヤツを愛犬に与えている
上記のことから、食べ物に起因する病気、または、治療成績にフード管理が関わる疾患、例えば、嘔吐、下痢、皮膚炎などを診察する際には、オヤツを与える習慣の有無を、必ず明確にするべきではないかと考えられる。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30773055/