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最も「平均的な」犬種について大規模な症例データベースを解析した研究

投稿者:武井 昭紘

『先生のおススメの犬種は、ありますか?』

 

診療業務にあたっていると、時折、犬を新しく飼育しようと検討しているヒトから、このような質問をされることがあるのではないだろうか。

もちろん、飼育または臨床経験から回答を導き出せる獣医師は、そのままで宜しいとは思うが、一方で、現在、回答が用意できていない先生方(特に新人獣医師)もおられるものと推察している。

そこで、今回は、回答を考えるためのヒントになるであろう研究を紹介したい。

 

2019年2月、イギリスの王立獣医科大学(RVC)は、45万件にも及ぶ症例データベースVetCompassを解析した結果、最も「平均的な」犬を特定できたとの発表を行った。なお、同大学によると、寿命、体重、疾患の有病率、いずれも平均的な犬種は、ミニチュア・シュナウザーであり、寿命11.7年(犬全体の平均寿命12年)、体重10kg(オス全体11kg、メス全体9kg)で、他犬種も罹患しやすい歯周病、肥満、肛門腺トラブル、嘔吐、外耳炎の発生も標準的だったとのことである。

上記のことから、獣医師として、自分自身のおススメの犬種を決定する上で、あらゆることが「平均的」なミニチュア・シュナウザーを筆頭に検討してみても良いのかも知れない。

RVCは、ミニチュア・シュナウザーのことを「the most average dog」と呼んでいます。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/vetcompass/news/miniature-schnauzer-one-of-the-most-average-dogs-in-the-uk-according-to-new-research


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