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院内コンシェルジュ〜アメリカの大学が導入したボランティアプログラム〜

投稿者:武井 昭紘

ペットの命と向き合う動物病院という性質を考慮すると、大部分の診療業務には、原則、獣医師または動物看護師が関わるべきであることは、多くの先生方の同意が得られるところだと推察している。しかし、動物病院の運営には、会計(帳簿管理)、マネージメント、スタッフの精神衛生の管理などに代表されるように、獣医学の知識よりも、他業種に幅広く通用するビジネススキルを要する業務が含まれていることも事実であり、これらのポイントに視点を置くと、むしろ、獣医師・動物看護師ではないヒトが、当該業務を担当することが望ましいと思われるケースも想定されるはずである。

そこで、カリフォルニア大学が2月に発表した「ある取り組み」について、紹介したい。

なお、同発表によると、大学付属動物病院にてボランティアプログラムを導入し、ボンランティアに院内コンシェルジュという大変重要な役割を担ってもらうとのことで、カリフォルニア大学は、彼らの働きに、飼い主さんおよびペットへの優しい対応(快適性の向上)と、正確な時間管理(飼い主さんが正しい場所に時間通りに移動する)の実現を期待している。

上記のことから、このプログラムは、動物を愛して止まない方の善意を、動物病院を介して、あらゆるペットへと直接伝える画期的なシステムであると考えられる。よって、今後、日本を含めて、動物福祉や保護活動に積極的な世界中の動物病院で、院内コンシェルジュが当たり前のように活躍する未来が訪れることを願っている。

カリフォルニア大学のボランティアの皆様には、院外活動でも、飼い主さん・ペットと親交を深められるイベントが用意されるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.vetmed.ucdavis.edu/news/uc-davis-veterinary-hospital-seeks-volunteers


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