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犬の拡張型心筋症を引き起こす原因に新たな見解を示したFDA

投稿者:武井 昭紘

犬の拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy、DCM)は、遺伝性または家族性に起きると言われている一方で、タウリン欠乏といった栄養性の原因を主とすることもある循環器疾患で、ドーベルマン・ピンシャー、グレート・デーンなどの超大型犬(中年齢移行)に多いとされている。しかし、遺伝子を含めた発症に至る要素・機序の全容は、いまだ解明されておらず、今後の研究課題として残されているのが現状である。

そのような背景の中、2018年7月、FDAがDCMに関する新たな見解を発表した。

なお、同組織によると、前述の好発犬種とは全く異なる品種、具体的には、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ウィペット、シー・ズー、ブルドッグ、ミニチュアシュナウザー、混血種といった実に多種多様な犬においてDCMが発症し、いずれの個体も豆科植物から作られたペットフードを給与されていたとのことで、FDAは、豆科植物を原材料としたフードが犬のDCMの「潜在的」な原因・要因であると勧告をしている。

仮に、上記のことが紛れもない事実で、この先の未来、世界的にも認める事象となるならば、犬のDCMの治療・予防に関して大きな変革の時期を迎えているのかも知れない。

報告に上がってきたペットフードの栄養成分の解析が、DCMで苦しむ犬を助ける「希望の光」となることを願っております。

 

参考ページ:

https://www.fda.gov/animalveterinary/newsevents/cvmupdates/ucm613305.htm


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