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X線検査時における防護服の適正使用に影響を及ぼす因子について明らかにした研究

投稿者:武井 昭紘

人医療とは全く異なり、獣医療、特に、小動物臨床では、X線検査を実施する際に、レントゲン室にペットと動物病院スタッフ(保定のため)が一緒に入室し、そのまま、撮影をすることが多い。しかし、この撮影方法には、検査対象者(診療対象動物)ではないスタッフが、被爆をしてしまうという大きなデメリットがあり、それを最小限に喰いとめるための防護服(personal protective equipment、PPE)の正しい、適切な着用が、本来のあるべき獣医師・動物看護師の姿とされている。

とは言え、実際は...となると、PPEの使い方が動物病院ごとにバラつきが出てしまうことも真実であると推察しているのだ。

 

では、一体、何をどうすれば、防護服は正しく使用され、その役目を果たせるのか?

ここに、ヒントを与えてくれる研究を紹介したい。

 

2018年2月、カナダの中央に位置するサスカチュワン大学は、獣医師にアンケートへの回答を求めて、450件を超えるデータを解析し、以下のように発表した。

◆PPEの使用方法に関するアンケート◆
・86%の回答者がペットとともに被爆している
・エプロンおよびネックシールドの着用率は90%前後
・グローブの着用率は60%を超えているものの、レントゲン室に居る時間の半分に満たない
・グローブの着用時間は、雇用主が指示を出している事業所で、延長される傾向にある

上記のことから、PPEの適切な使用には、雇用主の意識が大きく関与している可能性が示唆されているものと思われる。よって、動物医療従事者の被爆量を抑えるために、最も効果的な対策は、被爆への意識を高めさせる「雇用者向けの講習会」なのではないだろうか。

最も、着用率が低かったPPEは、防護眼鏡とのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.254.3.409


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