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右前腕に皮膚症状を患った猫における臨床検査所見と「その原因」を探究した症例報告

投稿者:武井 昭紘

ニュージーランドのマッセイ大学らが、猫の右前腕に発生し皮膚病変について「ある見解」を述べた。

なお、同大学らによると、13歳の去勢雄(アビシニアン)が4ヶ月にも及ぶ右前肢の浮腫と痂皮形成に悩まされており、罹患猫が患部をグルーミングした後には出血が起きるという主訴であったとのことである。また、身体検査では、右肘関節付近に「スリル」および「血管雑音」を伴う直径4mm程度の皮内腫瘤が触知され、CT検査(血管造影)では、病変部付近に後天性動静脈瘻(Acquired arteriovenous fistulas、動脈と静脈が毛細血管を介さずに繋がる現象)が確認された。

この結果を受け、マッセイ大学らは、一連の皮膚症状が動静脈瘻に起因するものであると結論づけている。

上記のことから、①過剰なグルーミングを繰り返す問題行動、または、②心因性脱毛症を抱えているとして捉えられている猫の中に、後天性動静脈瘻を罹患している個体が含まれていることが示唆されたのではないだろうか。よって、①②の症例を対象にして、後天性動静脈瘻に関する大規模な臨床研究が行われることに期待している。

動静脈瘻を外科的に結紮することで、皮膚症状は治まったとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.254.3.393


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