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カナダの大学が取り組む担癌犬に対するナノ技術を用いた治療法の開発

投稿者:武井 昭紘

犬の前立腺に発生する悪性腫瘍は、主に、腺癌または移行上皮癌で、周囲組織へ浸潤、リンパ節・骨・肺への転移を起こし、来院時には治療困難なほどに進行している場合も少なくない。また、治療法は、外科手術による前立腺の切除が適応されるのだが、予後は良くないとされ、外科治療の効果を上げる補助療法、または、外科治療を凌ぐ治療法の開発が望まれている。

前述のような背景の中、オンタリオ大学は、ナノ技術を用いた放射線療法を犬の前立腺腫瘍に適応する研究を試みることを発表した。なお、同大学によると、金ナノ粒子を腫瘍組織へと送達させ、放射線への感受性を増幅させるシステムを採用する予定とのことで、この技術をgold nanoparticle cancer therapy techniqueと呼んでおり、効果はもとより、外科手術よりも低侵襲性で、化学療法よりも副作用が抑えられるという点に期待が寄せられている。

上記のことから、gold nanoparticle cancer therapy techniqueが犬の前立腺腫瘍に有効であると立証されれば、当該疾患で苦しんだり、命を落としてしまう罹患個体を減らすことが出来るかも知れないと考えられる。

gold nanoparticle cancer therapy techniqueが、前立腺以外の腫瘍性疾患にも有効であるかについても、今後、検証されていくことを願っております。

 

参考ページ:

http://ovc.uoguelph.ca/news/movember-has-meaning-canines-too


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