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世界各地で狂犬病ワクチン接種率を向上させるアプリの試験的導入事例

投稿者:武井 昭紘

狂犬病は、発症すると100%死亡する非常に危険な感染症で、年間約60000人が犠牲となるウイルス性疾患である。故に、世界各地に飼育・生息している犬への狂犬病ワクチン接種を普及していくことが重要とされているのだが、フリーローミング(放し飼い)の常態化や人々の狂犬病への知識不足が、普及を阻む大きな障壁となってしまっている現状がある。

そこで、イギリスのエディンバラ大学らは、4大陸に跨る16ヶ国を対象にして、Mission Rabies Appというオンライン上のプラットフォームを試験的に導入する研究を行っている。なお、同アプリは、狂犬病に関連するデータを収集しながら、狂犬病への知識を深める教育事業を配信し、ワクチン接種キャンペーンを各地に発足するシステムとなっているとのことで、狂犬病ワクチン接種率を向上させる原動力となるのではないかと考えられている。

上記のことから、このアプリの試験的導入が狂犬病の抑止に効果的であると立証されれば、アプリ、スマートフォン、タブレットを介した「デジタル獣医療」が発展していくことが予想できる。よって、法律に規定されているにも関わらず狂犬病ワクチン接種率が低い本国においても、日本版Mission Rabies Appが開発され、将来的に、接種率の向上を図るプロジェクトが立ち上がることに期待している。

本サイトで紹介した狂犬病に関する数々の取り組みが統一化され、大規模な狂犬病プログラムが立ち上がる未来が訪れることを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30048469/


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