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犬の体重管理に有効な対策・治療法について検証した研究

投稿者:武井 昭紘

標準体重よりも重い犬では、獣医学的に、心臓や関節への負担大きくなり、各種臨床検査の実施にも支障(採血・留置の難しさ、X線検査および超音波検査所見の変化など)が出てしまうため、健康管理、且つ、獣医療サービスの安定した提供の両側面から、減量プログラムを検討することが望ましいと思われる。しかし、診察を担当する獣医師の考え方や経験によって、プログラムの主体(①食餌量の制限、②運動量のアップetc)が異なることも事実で、統一した見解のもと、減量計画を遂行させることが非常に難しい現状がある。

そこで、リバプール大学は、9段階のBCSにおける6~9に位置する犬13匹を用いて、①(減量用フードの使用)または②(約30%の運動量アップ)のどちらが「より効果的」であるかに着目し、検証を行った。すると、体重、胸囲、腹囲のいずれも、②に比較して、①の方が有意に減少することが明らかになったとのことである。また、同大学らは、②では2%の体重減少(①では10%)に留まるとして、殆ど体重減少効果は無いという結論も併せて発表している。

上記のことから、担当する症例に減量プログラムを適応しようと考えている獣医師は、①、つまり、食餌量の制限を主体に組まれた治療計画を立てることが理想的であると考えられる。

①②、両者を併用した時の減量効果も数値化されると、さらにプログラムの幅が広がるのかも知れません。

 

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