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気道内異物に伴う二次的な呼吸器感染症の病原体について解析した研究

投稿者:武井 昭紘

食べ物、植物片などが呼吸器に入ると、異物を排除するために、発咳が起こり、異物の周辺の気道に炎症が生じる。仮に、この時、炎症産物・痰が過剰に産生されることとなれば、二次感染を抑止する防御力が低下し、①気道内の常在菌または②体外から体内へと侵入する異物に付着した細菌によって、感染症が惹起されてしまう恐れがでてしまう。故に、抗生剤療法が治療計画に組み込まれことになるのだが、細菌種によって最適な抗生剤は異なるため、抗生剤の乱用を防止する観点から、感染の主体となる病原体に関する統計学的データ(疫学)を明らかにする必要があると思われる。

そこで、スイスに程近いイタリア北部に位置するパルマ大学は、芒(のぎ)が異物として気道内に侵入した犬41例を対象に、異物から検出した病原性細菌の薬剤感受性試験を行った。すると、約36%の症例ではブドウ球菌(上部気道感染に多い)、約24%では大腸菌(下部気道感染に多い)による二次感染が発生していることが明らかになったとのことで、同大学は、ニャーキノロン系またはテトラサイクリン系抗生剤が最も適した薬剤であると結論づけている。

よって、上記のことから、気道内異物で呼吸器に炎症を認める症例では、摘出した異物に付着する細菌種を念頭に置いて、抗生剤を選択することが大変重要であることが窺える。よって、症例ごとに、摘出した異物をサンプルとした薬剤感受性試験を実施し、それに基づいた抗生剤療法の検討が望ましいのではないだろうか。

本文献のように、抗生剤の乱用を防ぐことに視点を置いた研究が、今よりも一層、盛んになることを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30622694


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