ダッチ・シェパード・ドッグ(Dutch Shepherd Dog、DSD)は、大型の牧羊犬で、ワーキングドッグとしての素質も充分に兼ね備えているとされている品種であるが、他のシェパードと比較すると人気が低く、主にオランダ国内での繁殖のみで、種の保存がなされている。故に、母集団の頭数が極度に制限された環境の中で、ブリーディングが行われていると想定でき、遺伝的なトラブルを抱えやすい状況に陥ってしまっているものと考えられる。
そこで、ユトレヒト大学らは、DSDの遺伝子をパネルスクリーニング検査によって解析し、突然変異の検出を試みる研究を行った。なお、大学らによると、フォン・ウィルブランド病 typeIの発症に起因する遺伝子に変異を発見したとともに、当該変異を抱えた個体では、フォン・ウィルブランド因子の発現が有意に低下していることが明らかになったとのことである。
上記のことから、DSDの繁殖計画は、遺伝学的な見直しの時期に差し掛かっていると思われる。よって、今後、遺伝子検査に基づいたブリーディングが適応され、DSDにおけるフォン・ウィルブランド病が表面化することが未然に防がれることを期待している。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30607250