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主観を排除して高い客観性を持たせた尿検査を実現する自動解析装置

投稿者:武井 昭紘

小動物臨床において、頻繁に実施される検査の一つに、尿検査が挙げられる。この検査は、泌尿器系または代謝系疾患などの診療に多くのヒントを与えてくれることから、大変、有用で、且つ、汎用性のある手法と言える。しかし、一方で、顕微鏡を用いた項目(尿沈渣)に焦点を当てると、一人の担当者の眼で確認する検査となるため、主観を皆無にした評価にはならないというデメリットを抱えるということも事実である。

そこで、カリフォルニア州に拠点を置くAbaxis社は、尿沈渣の自動解析装置VetScan SA Sediment Analyzerをリリースしている。なお、同機は、完全血球計算機(CBC)に類似したサンプルの扱いのみによって、尿中に含まれる結晶、細胞、細菌の数をカウントして数値化するシステムが搭載されており、その検査結果は、顕微鏡検査の視野を撮影した画像とともに、1つのデジタルデータとして纏められる。

仮に、上記のような主観を無くした尿検査機器が安価で普及すれば、診断・治療・経過観察に客観性が付加されるため、ペットオーナーにも理解しやすいデータ化(数値化)された獣医療が実現するのではないだろうか。

主観が入りやすい顕微鏡検査について、客観性を付与するシステムが数多く開発されていくことを期待しております。

 

参考ページ:

https://www.abaxis.com/veterinary/products/vetscan-sa


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