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イギリスの大学が発表した胆嚢疾患になりやすい犬種に関するアップデート

投稿者:武井 昭紘

多様な品種が登録されている犬という種族は、個体(体質)、家系(遺伝)、ブリーディングなどの要因により、短頭種気道症候群筋ジストロフィー(ゴールデン・レトリバー)慢性表在性角膜炎(ジャーマン・シェパード)など、特定の病気を罹患しやすいことが知られている。故に、彼らの健康を維持・管理する動物病院で診療業務に携わる獣医師は、可能な限り多く、犬種別の好発疾患を把握しておくことが望ましいと思われる。

そこで、本稿では、以下の研究を一例として紹介したい。

2018年9月、イギリスの大学らは、選定した3つの機関病院のカルテをもとに、ボーダーテリアを対象にした好発疾患に関する検証を行った。すると、胆嚢疾患になりやすいとされている他犬種(シェルティー、コッカースパニエル、シーズー)と比較して、ボーダーテリアは80倍以上の確率で当該疾患を発症しやすいことが判明したとのことである。よって、大学らは、上記のボーダーテリアの胆嚢疾患を、特定の原因は不明だが、「品種と病気に高い関連性がある」という意味で、「素因」として発表している。

このことから、ボーダーテリアを診察する機会が既にある獣医師は、定期的な健康診断をペットオーナーに薦めることが理想的であると言える。加えて、この素因が更なる研究によって解析され、新たな治療法・予防法の開発がなされることを期待している。

健康診断で特に注意をしなければならない「犬種別」チェックポイントが、少しずつでも、体系化されていくことを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30079451/


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