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ステロイド系薬剤投与後に発生したとされる世界初の猫の消化器症状

投稿者:武井 昭紘

2018年7月、消化器症状(2日間の食欲不振および嘔吐)を呈する9歳齢、去勢雄の猫において、興味深い世界初の症例がイギリスの動物病院より報告された—–。

 

なお、同院によると、CT画像上で胃の粘膜下織にガスが発生していた(消化管気腫)とのことで、最終的に、除外診断の結果、デキサメサゾンによる治療歴が本病態の原因となっている可能性があると結論付けられていた。

世界初ということもあり、真偽の程には議論の余地を残すが、ステロイド系薬剤の投与後に消化器症状が発現した症例のデータを集積し、大規模な統計学的解析にて消化管気腫の有病率を明らかにすることは、獣医療レベルの向上のためにも、有意義ではないだろうか。また、ステロイドの副作用として、消化管気腫をリストアップしておくことが、薬剤投与後の病態を正確に把握したり、誤診を防ぐために重要であると思われる。

転院症例やセカンドオピニオンにて猫の診察にあたる場合には、病歴(ステロイドによる治療歴)を確認することが望ましいのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30090636


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