近年、小動物臨床でも唾液検査に関する研究が進んでおり、血液の代わりに唾液サンプルを用いて生体が抱える異常を探知する「唾液生化学検査」の開発・確立が始まりつつあり、以前にも、本サイトで紹介させて頂いた。そこで、今回も、あるチャレンジを試みた研究を紹介したいと思う。将来的に臨床応用されれば、診療業務が高精度化することも期待できる。
2018年6月、ポルトガルとスペインの大学が、唾液に含まれるタンパク質について地図状に視覚化した唾液プロテオームを発表した。なお、同発表によると、性差はないが、品種によって相違点があること、レモン(酸)の刺激で唾液プロテオームが変化することを確認できたとのことである。
上記のことから、更に研究が進めば、異物を食べたかも知れない症例や原因不明の涎が流れるトラブルに関して、唾液プロテオームが重要なヒントを与えてくれる未来が訪れるかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29967784