ヒトがペットから貰える恩恵は多岐に渡り、精神的な安らぎ（癒し）、ストレスの軽減、健康維持（運動する機会）などに始まり、アニマルセラピーと呼ばれる病気の治療までも享受できることがある。しかし、実際、科学的に、または、統計学的に、どのような効果が期待されるかについて一覧を纏めて明示、且つ、公開されたデータは非常に少なく、客観性に乏しいということが現状となっている。
そこで、動物用医薬品を手掛けるZoetis社は、ペットとヒトの関わりを考える非営利団体Habriと協力して、The Pet Effect（直訳：ペット効果）と称した恩恵を数値化してオンライン上に公開している。なお、同サイトでは、ヒトの血行動態、具体的な心理学的変化、ペットセラピーを実感する医師の割合など、10ページ以上に及ぶイラストを主体としたデータを表示しており、医学の知識が少ないヒトにも理解しやすい内容となっているため、是非、ご参照頂きたい。
また、上記のことは、獣医師および動物看護師も知るべき事項に溢れていると思われる。なぜならば、これらのページには、ペットを失うかも知れない危機に直面したオーナーの気持ちを推察する上で有用な情報が溢れているからで、オーナーにペットロスが起きないように、獣医師が動物の命と真剣に向き合う覚悟をするキッカケともなり得るのだ。つまり、ペットライフを満喫する人々の心情を具に汲み取り、配慮することができる「最高の獣医療」の提供を実現するチャンス・ヒントが、The Pet Effectというサイトに隠れているもと言えるのではないだろうか。
特に、新人獣医師の方々が同サイトをご覧になって、理想とする獣医療をイメージしてもらえますと幸いです。
参考ページ：
https://thepeteffect.org/health-benefits/blood-pressure
