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北米の大麻に対する意識の変遷と小動物臨床における懸念

投稿者:武井 昭紘

2018年10月17日、先進国で初めて、カナダが大麻(マリファナ)を嗜好品として所持することを法的に認めた。この流れや概念が、他の先進国にどのような影響を与えるかは、注視すべきポイントの一つとなっているが、同時期にカリフォルニア州において「大麻と小動物臨床」に掛かる法改正の動きがあった。

それは、アメリカ獣医師会(American Veterinary Medical Association、AVMA)がホームページにアップしたもので、2020年までに、獣医師がペットオーナーに医療用大麻の使用についてのインフォームド・コンセントが行えるようにするガイドラインを作成するという内容になっている。

しかし、筆者は、海外で社会問題化しているオピオイドクライシスを考慮すると、今回の法改正後のマリファナクライシス、つまり、マリファナを入手するためにペットを傷付ける行為の横行を懸念している。

よって、獣医療現場に関連した医療用大麻の合法化には、必ず、動物愛護の精神と、それに反した際の罰則を明文化する必要があると考えるとともに、北米の情勢をキッカケとしたペットの虐待事件が例え1件であっても発生しないことを願うばかりである。

潜在的に大麻を必要とする症例が、どれくらいの規模で存在しているのかについて、本格的調査を実施して、最終的な法改正の可否が決定されることを祈っております。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/News/JAVMANews/Pages/181115o.aspx


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