飼育しているオーナーに限ることなく、ペットは、動物好きの誰しもに分け隔てなく癒しを与えてくれる場合が多く、筆者も例に漏れず、その恩恵を賜っている一人である。また、この癒しは、ヒトの置かれている立場・状況の如何に関わらないことも大きな特徴で、「固定された住居を持たないヒト」へも平等に贈られるプレゼントとなる。しかし、前述のケーズでは、ペットも住居が無い（without walls）環境に陥るため、動物福祉の観点から、何らかのサポートが必要であると考えられる。
そこで、カリフォルニア州に拠点を構える慈善団体Helen Woodward Animal Centerは、プログラムを立ち上げ、動物福祉の実現とペットが住居を持たないヒトに惜しみなく提供してくれる「癒し」の維持を試みている。なお、同プログラムは、サンディエゴ（アメリカ西海岸沿い）のテントサイトで暮らすヒトとペット200匹が対象となっており、予防医療の実施と寄付されたフードの配給が行われている。
上記のことから、世界幸福度ランキングの上位にランクインすることがなく、格差社会とも称される日本における低所得者または生活困窮者にペットの「癒し」を堪能してもらう福祉活動を、ペット業界全体で計画・立案することは、非常に重要であると思われる。
日本版Pets Without Wallsプログラムが立ち上がることを期待しております。
参考ページ：
animalcenter.org/programs-services/pets-without-walls
