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ニューヨークにおいて家庭内暴力で悩む世帯のペットライフを支えるサービス

投稿者:武井 昭紘

ペットライフを楽しむヒトの中には、自身の健康維持にペットが大きな力を貸していてくれると気が付く方がおり、実際、血圧の低下、ストレスの軽減、不安感の緩和などの効果が得られるというデータも存在している。また、前述のような恩恵は、苦境に立たされてしまったヒトにとって、より一層の実感を伴うものとなると言って過言ではなく、人生や今を生きていくための支えと表現されることもある。

ところで、話は変わるが、内閣府男女共同参画局によると、家庭内暴力(DV)の相談件数は年間10万件にも昇り、一部の世帯はDVを受けないために避難を余儀なくされるという現状を見つめ直すと、DVの相談をしているうちの延べ2万件(日本において犬猫を飼育する世帯は全体の22%)がペットを所有していると推定され、おそらく、前述した「支え」としてのペットライフを望んでいる方がおられると察するのだが、本国に、その希望を叶える場所は皆無であるとという現状は否定できない。

そこで、海外の対策を一つ紹介したいと思う。

現在、ニューヨークには、DV被害者(150人の子供を含む)がペットとともに避難できるシェルターが用意されており、People and Animals Living Safely(PALS)プログラムと呼ばれている。なお、同プログラムは、爬虫類から犬猫に至るまで130匹のペットも対象に、大切な家族の一員として迎え入れているとのことである。

上記のことから、本国でも、PALSプログラムへの需要は高いものと思われる。仮に、推計2万世帯がペットライフを維持できるとなれば、不遇を味わうペットも減少し、殺処分ゼロへの原動力にもなり得るのではないだろうか。よって、万単位の世帯へ向けたサービスの提供に対して、不動産業界、動物医療業界、ペットフードメーカーなどが協力し、ビジネス展開を検討する未来が訪れることを期待している。

穏やかにペットライフが送れるヒトが一人でも増えることを願っております。

 

参考ページ:

urinyc.org/program/uripals/


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