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花火の季節に個人・組織から注意喚起が増えるイギリスのペット事情

投稿者:武井 昭紘

本稿に掲載されている写真は、花火の画像である。

日本では、夏場を中心に花火大会が各地で開催され、テレビ、インターネット、街中など、あらゆるところで情報を目や耳にするほどに盛り上がりをみせている。

つまり、「花火=夏」なのである。

しかし、イギリスでは、これからの寒い季節に、個人でもイベントでも花火が用いられることが多くなり、本国とは真逆の「花火=冬」のイメージが強い。そのため、小動物臨床にも関連する「ペットと花火」についての注意喚起がウェブサイトおよびSNS上に目立ち始めており、fireworksまたはbonfireというキーワードの検索で、その一端が垣間見ることができる。

なお、オンラインでは、様々な立場のヒトや組織が発信しているのだが、主張は示し合わせたかのように統一性があり、「音恐怖症についての充分な配慮のお願い」となっているとともに、王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)では、動物福祉の観点から、ヘルプライン(電話)も設置しているとのことで、事態の深刻さが窺える。

このことから、伝統的な文化を楽しむ機会を未来へ残していくことは重要だと思うのだが、花火大会のような大きな音が発生するイベントは特定の季節に集中させるのではなく1年365日に広く分散させたり、イベント時期に完全防音を施したスペースの提供サービスを展開することも、ヒトと共に生きてくれるペットのために大切ではないだろうか。

花火大会が行われる近隣の動物病院が、ホテルでペットを預かるサービスを提供することも、社会貢献になるのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.scottishspca.org/newsroom/latest-news/scottish-spca-issue-annual-fireworks-warning-ahead-of-impending-bonfire-season/


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