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犬におけるヒトの表情の感じ取り方を解析した研究と問題行動

投稿者:武井 昭紘

犬を飼育するというペットライフには、喜怒哀楽が全て詰まっており、オーナーと愛犬が分かち合う感情が、穏やかで癒される日々、刺激的な瞬間を形成している。故に、今よりもペットライフを色彩豊かにする、または、愛犬の問題行動で悩む家庭に希望を与える研究は、大変有意義だと言える。

そこで、イタリアのバーリ大学は、ヒトの表情と犬の反応を詳細に解析する検証を行った。なお、同検証では、ヒトの表情を7つに大別し、犬における左脳・右脳の使い方、恐怖・ストレスの感じ方、心機能の変化などが観察されており、大学によると、犬にとって、ヒトの①怒りおよび②幸福の表情は「共通」して右脳を刺激し、同程度の恐怖・ストレスを感じ、心機能変化も類似しているとのことである。

よって、上記の結果には、オーナーにとって飼いやすい個体と問題行動で悩まされる個体に分かれる要因に関するヒントが示されていると思われる。つまり、ヒトの①と②の表情は犬から見ると「紙一重」であり、躾や問題行動の治療における「適切」なヒトの表情について、根本から見直す必要があるのではないだろうか。

個人の感情をそのまま表情に出すのではなく、愛犬に誤解を与えない表情を演技することが、躾には必要なのかも知れません。

 

参考ページ:

https://link.springer.com/article/10.3758%2Fs13420-018-0325-2


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