ニュース

フィールドトリップ~One Healthを意識した獣医科大学の課外活動~

投稿者:武井 昭紘

新卒獣医師は、自分が働きたい動物病院や場所をイメージして就職活動を行い、社会人への道に歩を進める。しかし、出身地とは異なる新天地を選んだケースでは、その地に根付いた文化、流行している(するかも知れない)感染症を充分に理解していないことがあり、One Health(ヒトと動物の健康維持が揃って初めて生態系は保全される)の観点から、新卒者が獣医師としての役割を果たし切れないという懸念が否めない。

そこで、シドニー大学は、学生を自然豊かな公園へと派遣して、生物多様性、犬の管理状況、土地利用の現状、文化などを学習するフィールドトリップを実施した。なお、同大学によると、フィールドトリップは学生がOne Healthを理解するために有用で、学生の反応も良好とのことである。

上記のことから、地域が求めている獣医療を学び、実感するために、動物病院の新人教育にもフィールドトリップは適応できると思われる。つまり、若い獣医師がOne Healthを意識して診療業務にあたれば、感染症への抑止力が高まり、動物病院の社会貢献度が上昇していくのではないだろうか。

フィールドトリップは、獣医師個人でも簡単に実践できますので、お近くの公園へ出掛けて、動植物の観察を行ってみて下さい。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29911166


コメントする