シベリアン・ハスキーは、トナカイを遊牧する民族をサポートしたり、ベーリング海やオホーツク海の漁師とともに暮らしていた歴史を経て、アラスカのソリレースへと活躍の場を広げていった犬であり、現在では、スポーツ全般を一緒に思い切り楽しめる品種の代表格として、世界中で人気を博している。しかし、筆者は、前述のような抜群の運動量・活動性に勝るとも劣らない素晴らしい魅力を感じており、輝くほどに美しい「青い瞳」に見入り、時間を忘れて惹かれてしまう。
シベリアン・ハスキーの眼に確かに宿る絶対的な魅力は、何処から来るのだろうか?
その疑問に迫った「ある研究」を本稿で紹介したいと思う。
アメリカの動物病院およびコーネル大学は、ヒトのゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Study、GWAS)を参考にして、青い瞳を有するシベリアン・ハスキー3000匹以上の遺伝子配列を決定し、以下に示す塩基対を発見した。なお、この配列の名称は公開されていないが、第18番染色体のALX4(骨組織の構成などに関与)の上流に、98.6kbの塩基配列が存在していること、茶と青の虹彩の色をコードしていることが分かったとのことである。
このことから、犬とオーナーに協力してもらうことが叶えば、GWASを用いることによって、様々な犬種の「絶対的な魅力」の正体を、これからも突き止めていくことができるのかも知れない。
参考ページ:
https://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1007648