リーシュマニア症は、節足動物(サシチョウバエ)が媒介する原虫感染症で、南米、アジア(中国以西)、アフリカにおいて、ヒト・犬猫・げっ歯類などに発生する疾患として知られている。故に、当該疾患はズーノーシスとして重要視され、数多くの研究が行われているのだが、現在、広く一般に流通できるワクチンは開発されていない。
そこで、アメリカの大学らは、Leishmania infantum(内蔵型リーシュマニア症の病原体)に感染した犬に対するワクチンの有効性を検証した。なお、同検証のワクチンには、リーシュマニアを構成するA2タンパク質のリコンビナントが使われており、以下に示す効果が確認できたとのことである。
◆リーシュマニアワクチンの効果◆
・無症状の感染個体における発症リスクを軽減する
・発症にまで至ってしまった個体の臨床症状および死亡率を低下させる
上記のことから、本検証のリーシュマニアワクチンは感染症例の治療に適応できると言える。また、今後、このワクチンが「感染予防」、つまり、予防接種用ワクチンとしても有用であるかについても研究が進んでいくことを願っている。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30219369