嘔吐などの消化器症状を呈する犬の一部には、内視鏡検査が適応されることがある。しかし、この検査は通常、麻酔下で実施するもので、相応のリスクと時間(動物病院スタッフの拘束)を要するのが現状である。一方、科学技術の進歩によって、カプセル型の内視鏡が開発されており、現在では、麻酔のリスクを無くし時間の制約も少ない検査が実施できる環境も整いつつある。
そこで、アメリカおよび韓国の大学らは、急性の嘔吐を呈する犬11匹にカプセル型の内視鏡を使用する研究を行った。なお、同研究に採用された内視鏡は、取得した画像をリアルタイムで確認できるものである。また、画像は2名の獣医師によって読影されており、彼らの意見の一致性について評価されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆リアルタイムで映像をチェックできるカプセル型内視鏡による検査の結果◆
・全ての症例で検査が無事に完了した
・検査開始から診断までの時間は21.82±15.26分(1~48分)であった
・獣医師の意見は一致していた
・①5例は胃内異物であった
・②6例は胃炎、胃潰瘍(または出血やびらん)であった
・①は外科的に、②は内科的に治療された
・カプセルを飲ませることで副作用は起きなかった
上記のことから、リアルタイムで映像をチェックできるカプセル型内視鏡は、犬の急性嘔吐の診察に使用できることが窺える。また、大学らは、この内視鏡は遠隔医療にも利用できると述べる。よって、今後、カプセル型内視鏡の使用方法、適応症例について纏められ、犬の消化器科診療のレベルが向上することを期待している。

検査を始める前に制吐剤と制酸剤が投与されております
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40218449/


