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犬が持っているかも知れない第6感について検証した研究

投稿者:武井 昭紘

何らかの原因によって視覚、聴覚、嗅覚に障害を負った犬は、一体何を頼りにして周囲の状況・環境を認知しているのだろうか。以前、東京大学が発表したヒトの第6感「磁覚」のようなものが犬にもあるのだろうか。この謎を追究することは、特定の感覚を失った犬のケアを再考するキッカケになるものと思われる。

 

冒頭のような背景の中、欧州の大学らは、昆虫、ヘビ、哺乳類の一部が有すると言われている「放射熱を感知する能力」に着目して、犬という生き物を解析する研究を行った。なお、同研究では、以下の2つの点について検証されている。

◆犬の「放射熱を感知する能力」に関する研究◆
①1.6メートル離れた室温程度の物体と温かい物体(31℃)を識別できるか
②熱を放出する物体の刺激を受け取った犬の脳において活性化される領域はあるか

すると、犬は嗅覚や視覚に頼ることなく温かい物体を識別することができ、熱を放出する物体で刺激を受けた犬の脳では体性感覚を司る左脳(皮質)が活性化することが確認できたとのことである。

 

今回紹介した研究で活性化された左脳の皮質は「鼻で感知した刺激」に反応する部位であることを考慮すると、犬の鼻には「放射熱を感知する能力」が備わっている可能性があると言える。よって、今後、視覚や嗅覚を失った結果でフードの場所が見付けられなくなった犬が温かいフードを認識できるか、あるいは、これらの感覚を失った結果で遊ばなくなった犬は温かいオモチャに反応するかなど、様々な視点から追加の研究が進められ、犬が見ている世界がより深く理解され、ハンディキャップを負った犬の飼育方法に新たな見解が生れることを期待している。

犬の左脳は室温と変わらない物体よりも温かい物体でより活性化したとのことです。

 

参考ページ:

https://www.science.org/content/article/new-sense-discovered-dog-noses-ability-detect-heat


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