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DISHAL~愛犬の認知機能不全症候群に気が付くためのチェックポイント~

投稿者:武井 昭紘

11~12歳の28%、15~16歳の68%。ある研究によると、一定程度の年齢を重ねた犬の一部は、認知機能不全症候群(canine cognitive dysfunction syndrome、CCDS)を発症するようだ。つまり、本稿の読者または知り合いの愛犬がCCDSを抱えるかも知れないということである。ならば、誰しもが身に着けておくことが必要となるだろう。当該疾患に関す知識を—–。

 

そこで、テキサスA&M大学は、「知っておくべきCCDSの症状」をホームページ上にアップしている。なお、合言葉は、各事項の頭文字を取って並べた用語「DISHAL」。その詳細は、以下の通りである。

◆DISHAL~CCDSに関して知っておくべきこと~◆
・D:disorientation(見当識障害)の意
壁や床を見つめ続けたり、部屋の隅や家具・ドアの裏に入って抜け出せなくなる症状。

・I:interactions(今までになかった関係性)の意
身近なヒトや同居動物への攻撃性が強くなったり、過敏な反応をするようになること。

・S:sleep-wake cycle changes(昼夜逆転)の意
日中に眠り、夜間に活動が活発になる(夜間に眠れなくなる)こと。

・H:house soiling(自宅を排泄物で汚すこと)の意
トイレではない場所で排尿・排便をしたり、催した時に「外出したい」という意志を出さなくなること。また、外出先から自宅へ戻った直後に排泄すること。

・A:activity changes(活動性の変化)の意
活動時間が減り、安静にする時間が増えること。また、徘徊や旋回をすること。

・L:learning difficulties/memory loss(学習障害/記憶の喪失)の意
新しい芸を覚えられない、または、以前に覚えた芸ができなくなること。

 

同大学は、これらの症状を犬が呈したら、動物病院を訪れて欲しいと訴える。飼育環境を調整したり、食餌内容やフードの形態を変更したり、サプリメントの必要性を相談して欲しいと。読者の皆様が飼っている愛犬には、上記の症状の何れかが認められるだろうか。もし仮に認められるならば、彼らとの関係性を良好に保つために獣医師・動物看護師に意見を求め、CCDSを理解することに努めて頂けると幸いである。

9歳齢以上の犬の22.5%がCCDSであると報告する研究もあるようです。

 

参考ページ:

vetmed.tamu.edu/news/pet-talk/cognitive-decline-in-aging-dogs/


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