世界中に広がる新型コロナウイルス。WHO（世界保健機関）によると15日現在、新型コロナウイルスの感染は147の国と地域で確認されており、感染者の数は15万3517人、死者の数5735人に達したと発表。この問題はペットの命の危機にも関係しています。
新型コロナウイルスが発生源とされている、中国湖北省の武漢市では飼い主が避難した家に取り残されたペットが死んだり、命の危機にさらされています。
記事によると、動物保護団体ヒューメーン・ソサエティ・インターナショナル広報のウェンディー・ヒギンズ氏は、武漢市内のほかにも北京や大連、西安でも取り残されたペットがいると指摘。活動家らがペットを助けた住宅は、武漢市内だけでも１０００戸を超しており、中国全土では相当数に上ると推測しているそうです。
やむなくペットを置いて避難をしなければならなかった飼い主は、すぐ戻れると思い、数日分の餌や水しか置かずに出てきた場合が多いが、実際は1か月経っても多くの住民が家に戻れずにいるのだという。
ヒューメーン・ソサエティと連携する中国の保護団体の推計では、湖北省内の集合住宅に取り残された犬や猫は数万匹に上ると危惧しています。同団体には心配した飼い主から、自宅のペットの様子を確認してほしいという依頼が相次ぎ、依頼電話は大連市だけでも４００件以上に上り、取り残されていた犬や猫少なくとも３８０匹を救出しました。
2月下旬には香港の当局が、犬の鼻と口から採取した検体を検査した結果、新型コロナウイルスの「弱陽性」反応が出たと発表。専門家はペットが人に新型ウイルスを感染させることはまずないと指摘しているが、不安の矛先が動物に向けられており、飼い主に対してペットを外へ出さないよう呼びかけた自治体もあるそうです。
ファン氏によると、感染拡大を防ぐため、業者が家の外にいる猫や犬の殺処分に乗り出すという通知や、湖北省洪江市では、公共の場にいるペットや飼い主が一緒にいないペットは例外なく殺処分にすると通告しているそう。
ロイター通信の情報では、湖北省に次いで感染者が多い浙江省では、公共の場で犬が見つかれば駆除すると当局が通告しているとしています。中国内で獣医療に関わる人や飼い主の多くに、不安が広がっていることは間違いありません。
「もし流行が制御できないままの状態が続けば、事態はさらに悪化する」と同団体のデン・ファン氏は危惧する。
https://www.cnn.co.jp/world/35150857.html
＜2020/03/16 CNN.co.jp＞
中国 コロナウイルスで犬猫に迫る餓死や殺処分の危機（写真と記事は関係ありません PhotoAC）
