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東北各県 修学資金援助や給与増額でも 獣医師職員不足

投稿者:AsaT

東北各県では公務員獣医師の不足が続いており、各県は修学金援助や給与の増額を打ち出しているが、改善に至っていない。

記事によると、岩手県は東北随一の牛と豚の飼育頭数で、県職員として獣医師125人が勤務。2010年度策定の獣医療計画で132人の雇用を目指したが、いまだ目標には達していない。18年度の新卒採用も20人の募集に対し7人だったという。

「新卒の半数近くはペット医療を希望し、残りの2割の公務員志望者を国と地方自治体で奪い合っている」と県畜産課の菊池伸也総括課長は説明している。地方の獣医学科に来ている学生は首都圏出身者が多く、卒業後に地元に戻ってしまうことも要因にあるそうだ。

人手不足の現場では長時間労働が恒常化していて、学生の公務員離れに拍車をかけている。こうした状況を改善しようと、青森、岩手、秋田、山形の4県は14年度以降、地元の高校3年生を対象に修学資金を援助する制度を導入。地域枠を設けている私立5大学へ進学する生徒に対し、入学金や1年次前期の授業料を全額貸与している。

ほかにも、東北5県は入学後、月10万~18万円の奨学金貸付制度も用意(福島を除く)したり、在学中6年間に渡り貸与した場合は、卒業後に最長10年間、県庁や農業共済組合に勤務すると返済が全額免除される。

ほかにも、採用試験での優遇措置や採用後の待遇改善も進んでいるが、効果は限定的な状態。
各県は20年度の採用に向けて、大学訪問や職業体験を強化して人材確保に取り組む。

「人員が増えれば突発的な病気にとどまらず、畜産農家を悩ます慢性疾病の原因究明にも手が回る」と説明。「獣医師職員は担当する症例数が多く、専門性を高められる」と県庁入りの利点を強調した。


参照元リンク

<2019/01/20 河北新報>

東北各県 修学資金援助や給与増額でも 獣医師職員不足(牛の組織片を顕微鏡で観察する獣医師職員 滝沢市の岩手県中央家畜保健衛生所=河北新報)

 

 

 


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