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年間3億人近い感染者を出すマラリアを高い精度で診断する生物が発見される

投稿者:武井 昭紘

マラリアは、蚊(ハマダラカ属)が媒介する原虫性疾患として知られ、熱帯・亜熱帯気候の地域にて流行しており、年間で3億人弱の感染者と60万人を超える死者を出すほどに危険な感染症とされている。また、一部のマラリア(亜熱帯マラリア)は、感染から24時間以内までの治療開始が生死を分かつこともあるため、当該感染症の正確かつ迅速な診断法の考案は急務と考えられ、特に、診断用キットで検出しにくくなる原虫密度(50/μL以下)における検査制度の向上が求められている。

そのような背景の中、今年の10月末にBBCが報じたニュースは、驚くべきものであった。

なお、BBCによると、イギリスおよびガンビア(アフリカ大陸西岸のセネガルに囲まれた国)の研究者が、新しいマラリアの診断法を確立できる期待感が高まる事実を発見したとのことで、医療慈善団体に所属する犬が、既存の手法で1件しか陽性を検出できなかった10のサンプル群から、
7件もの陽性例を的確に嗅ぎ分けたという内容が付け加えられていた。

よって、犬の嗅覚は、ヒトが開発したマラリアの診断手法を遥かに上回る精度を誇る「生物学的」検査法となり得ることが窺える。また、上記のことを基に、自由に発想させて頂くと、今後の研究の進展次第とはなるものの、診断法が存在しない「あらゆる」寄生虫性疾患を嗅覚の優れた犬が、治療へと着実に導いてくれる未来が訪れるのではないかと思わずにはいられない。

筆者にとって「生命の神秘」の奥深さを痛感するニュースでした。
私たち、人間は、身近に居るペットの能力すらも全容を掴めていないのかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.bbc.com/news/health-45997000


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