近畿大学水産研究所の「近大マグロ」はマグロの完全養殖に成功したことで知られていますが、人口(AI)知能を活用した、養殖稚魚の選別作業の実証実験を開始したことが分かった。
記事によると、近畿大学水産研究所、豊田通商、日本マイクロソフトは21日、人工知能(AI)を活用し、稚魚の選別作業を効率化する実証実験を開始したと発表。いけすで養殖した稚魚の出荷の際に生育不良の稚魚を取り除くが、作業は経験と体力を要するため、作業員への負荷と人手不足が課題となっている。同社らは2017年6月頃からシステム自動化の検討を開始している。
ポンプで稚魚を吸い上げる「移送ポンプの水量調節」と、「生育不良の稚魚の選別」2作業を自動化する必要があり、まずは「移送ポンプの水量調節」を自動化していく。19年3月までには現場で利用できるようにする。
ベルトコンベアーに稚魚を均一に並べるためには、稚魚数に合わせて水量を調整する必要がある。ポンプに設置したカメラで稚魚の画像データーを取得し、水量データーと共にマイクロソフトのクラウド「アジュール」へ送信。AIの画像解析で稚魚数をカウントする。水量調節作業はAIに機械学習させて調整できるようにしたそうだ。
ポンプ制御を自動化した後は、目視で行っている選別作業の自動化を目指す。
すでに同学発のベンチャー企業を通じて、マダイ稚魚を全国の養殖業者へ販売している。一方、稚魚の選別作業は野菜や果物のように自動選別が難しく進んでいない。
<2018/08/30 19:02 日本経済新聞>