ニュース

産業 政策

公務員獣医師不足 多くの都道府県で続く

投稿者:AsaT

公務員獣医師は家畜の健康や食の安全性確保において欠かせない存在だが、就職先にペット向けの動物病院を選ぶ学生が増えており、大都市への就職が集中している。

長崎新聞によると(2022年2月6日掲載)、全国で1年間に獣医師となるのは約千人。そのうち牛や豚など大型の動物を扱う公務員獣医師を目指すのは2割ほどにとどまる。このため公務員獣医師は全国的に不足し、限られた人数を都道府県や市町で取り合っている状況。

長崎県の佐世保市では、人材確保に向けて36歳までだった年齢制限を59歳までに広げ、年間を通して募集。仕事の複雑さや難しさなどを踏まえ月額2万円を別に支給するなど処遇を改善してきた。それでもここ5年の採用数は1人で、応募者がゼロの年も。定員25人に対し2021年度の在籍数は19人で欠員は6人。OBのほか、畜産技師や管理栄養士など獣医師に代わって業務できる別の専門職を臨時的に配置している状況で、有効な打開策は見いだせていないという。

給与も重要な判断基準だが、市職員課が公務員獣医師を雇用する九州内の17自治体の初任給を調べたところ、佐世保市は低い方から数えて6番目。最も高い熊本県とは5万7千円の差があった。

安定雇用に向けて修学資金制度の新設も計画している。具体的な制度の中身は協議を重ねるが、獣医学部・科に進学する学生に資金を貸し、市内での就業期間に応じて返還を免除するなどの支援を検討する。同様の制度は既に県と壱岐市が創設済みで、同市では05年以降、5人(うち3人は学生)に貸与。1人が市内で獣医師として働いている。

佐世保市の公務員獣医師採用についての記事だが、地方では毎年のように公務員獣医師不足問題を抱えている。畜産基盤の維持や食肉の安全性確保に向けて早急な対策が必要となっている。


https://nordot.app/862857247681658880?c=174761113988793844

<2022年2月6日/長崎新聞>

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a175015.htm

<参議院 質問本文情報>

公務員獣医師不足 多くの都道府県で続く(photoAC)

 


コメントする