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ペットの盗難に対する刑罰を重くするための動きを見せるイギリス政府

投稿者:武井 昭紘

172匹。
動物慈善団体の調べ(2019年)によると、イギリス国内で起きたペットの盗難事件は非常に多い。そして、コロナ禍に陥った現在。同国で人気のある犬種の販売価格は約90%も高騰、Googleで人気犬種関連キーワードが検索される頻度も160%以上の増加となっている。つまり、犬に対する需要が高まり、彼らに興味を持っているヒトが増えているのだ。となれば、誠に残念ながら、ペットの盗難事件がより深刻化することが予想されるのである。

そこで、イギリス政府は、ペットを盗んだ人物に対する罰則を厳しくする検討に入った。そこには、現行の法律における矛盾を解決しようとする姿勢が見られる。ペットの盗難は「物品・財産の盗難」として扱われるが、オーナーにとってペットは物ではなく「家族」であり、彼らが居なくなった時の心痛は計り知れないという矛盾を。

また、イギリスでは「動物が意識や感覚そして人生を持った存在(sentient beings)である」という概念を法律に組み込む動きがある。詰まるところ、家族と離れ離れになるペットにも大きなストレスが掛かると「法律的にも」考えられるのだ。果たして、この厳罰化の流れは、これからも増え続けるかも知れない、そしてオーナーおよびペットに精神的な苦痛を与える盗難事件に対する抑止力になるだろうか。今後の動向に注視したい。

2019年に比べて、2020年はペットの盗難事件が増えているとのことです。今回の厳罰化が実現し、増加傾向に歯止めがかかることを願います。

 

参考ページ:

https://www.gov.uk/government/news/taskforce-launched-to-investigate-reported-rise-in-pet-thefts


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