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「付添犬」弁護士ら実現に奮闘、刑事裁判に初出廷 日本にまだ4頭

投稿者:AsaT

虐待を受けた子どもが刑事裁判で証言する際に、精神的な負担を和らげるために「付添犬」の法廷への出廷が許可されました。弁護士たちの奮闘によって実現したのです。

付添犬とは虐待などで被害を受けた子どもが、受けた出来事を安心して他者(司法関係者/医療従事者など)に伝えることができるよう手助けする犬のことです。子どもたちが事情聴取などでトラウマを受けないよう精神的にサポートする役割があります。

記事によると、アメリカでは付添犬などが裁判手続に入る事は珍しくなくなってきているが、日本で実現するためには、医師や獣医師、そこに加わった女性弁護士らが積み重ねた6年越しの努力が必要だったそうです。

日本初の快挙となった裁判への付添犬の出廷は、8月に関東地方で行われた地裁の法廷。10代女性の本人尋問がなされ、男性から虐待を受けたとされる児童福祉法違反の刑事裁判でした。

落ち着いて証言した女性の足元には、1頭のゴールデンレトリバーが寝息を立てて眠っていました。犬の名前は「ハッシュ」でオスの6歳。このハッシュが日本で初めて法廷に出廷した付添犬となりました。被害女性にはハッシュのほか、付添人である弁護士、ハッシュのハンドラー(犬の管理者)、医師、支援者らが付き添いました。

付添医師、付添人、付添犬を派遣したのは「NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐ」で、「つなっぐ」が最高裁に確認したところ「最高裁としても把握していない」回答を得られたそうです。

付添犬は日本ではハッシュを含めまだ日本に4頭しかいません。「付添犬」は付添犬認証委員会が2020年7月に作った新しい言葉です。アメリカでは、虐待や事件の被害者になった子どもの負担を軽減するため、司法面接や裁判所での証人尋問で、「コートハウス・ファシリティ・ドッグ(CFドッグ)」が活躍しており、日本でも取り入れようと多くの人や団体が尽力してきました。

2014年から児童精神科病棟での犬セラピーの経験から犬の力を実感していた新井康祥医師と吉田尚子獣医師、丸山洋子医師と山本真理子講師が加わり、コートハウスドッグズ・ファウンデーションと連携を図りながら、日本の司法制度に適応できる体制をととのえるため勉強会を始めました。

2016年には日本全国で、医師、刑事裁判の裁判官や、家裁の調査官、児相の職員、弁護士らを呼び、CFドッグの実践例と、地裁に犬を入れることを目標として議論・検討を進めてきました。

現在は「つなっぐ」と連携を結んだ2つの団体、日本介助犬協会と日本動物病院協会からそれぞれの専門機関で認定を受けた犬とハンドラーが、さらに付添犬認証委員会の認証を受けて、毎回依頼活動内容やニーズに合わせて活躍しています。

付添犬の基準を審査するのは、付添犬認証委員会。しかし、最終的に法廷に入れるかどうかは、裁判所が判断するところ。つなっぐ代表理事の飛田桂弁護士は「裁判所に必ずいる存在になってほしい。そして、将来的には、警察署にも付添犬を入れたい。」と話しています。

代表理事の飛田桂弁護士は「付添犬を刑事裁判手続きに入れるには、5年以上かかりました」と話す。


https://news.yahoo.co.jp/articles/44b51793b34ac4d39a9cdbd8e3098bb2eeeebef4

<2020/11/1 弁護士ドットコム>

「付添犬」弁護士ら実現に奮闘、刑事裁判に初出廷 日本にまだ4頭(写真と記事は関係ありませんPhotoAC)

 

 

 

 


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