ニュース

動物福祉

ペットも寿命伸び 飼い主の苦労「老老介護」

投稿者:AsaT

獣医療の進歩や食環境などの品質向上から、ペットの寿命も伸びています。
ペットの高齢化でペットの介護サービスも増えていますが、費用面でハードルが高いのが現状です。飼い主が高齢でペットも高齢の「老老介護」だと、さらに状況が厳しくなるようです。

記事によると、ある女性(57)はフルタイムをしながら夫(58)と飼い犬を自宅で介護。腎臓などの病気から2ヶ月前から完全に寝たきりになり、2人で方法を学んで点滴を打っています。動物病院では1日4千円かかるが、自宅なら500円で済ませることができるそう。

飼い犬の体重は15キロで、床擦れ防止のため夜中でも数時間おきに寝返りを打たせたり、シャワーや通院など力仕事が多い。日中は世話をする人がいないので、排泄はシーツの上にさせています。老犬ホームは環境が変わってストレスになるのではないかと心配で入れたくない。けれど夜中に発作をみるとやりきれず、動物病院での安楽死も考えることがあるそうです。

環境省によると、全国の老犬ホーム数は2013年の20施設から昨年4月には138施設に増加。デイケアや訪問介護も増えていて、困った飼い主と介護サービス事業所を仲介するインターネットサイトや、ペットと一緒に入居できる高齢者施設もあります。

福岡県春日市の「動物医療センター春日」では10年ほどから自力で動けないペットのためのリハビリセンターを開設。佐藤良治院長(69)によると「病院の外来と入院も老齢のペットが3分の1に上る」とニーズの高まりを感じているそうです。

しかし、問題点もある。介護サービスの費用負担が重く、利用するのが難しいと感じる飼い主さんも多いようなのです。地域や犬のサイズで異なるようですが、老犬ホームは年間60万~70万円、デイケアは1日3千~5千円ほど。

福岡市東区にある東部動物愛護管理センターの吉柳善弘所長(49)によると「夜鳴きの世話や医療費負担が苦になり、疲れ切って持ち込む人は多い」といいます。高齢のペットは引き取り手が難しく、保健所に持ち込まれ殺処分される例も珍しくないのです。

こういった問題から一般社団法人「老犬ホーム協会」(熊本県菊池市)の緒方心代表理事(42)は、治療や介護に費用がかかることを理解して、資金を備えるよう呼びかけています。

「飼い主は動物病院や介護サービス事業所など、相談できる場所を日頃から見つけておいてほしい。飼い主同士が資金を出し合う互助会組織や民間保険など、飼えなくなったときに対応する仕組みも必要だ」と訴える。


https://www.nishinippon.co.jp/item/n/516677/

<2019/06/07 西日本新聞>

ペットも寿命伸び 飼い主の苦労「老老介護」

 

 

 

 


コメントする