長崎県佐世保市の九十九島水族館「海きらら」で、27日午前7時52分頃に人工授精によるイルカの赤ちゃんが誕生した。国内での人工授精の成功は4例目で、九州の水族館では初となる。
記事によると、出産したのはバンドウイルカの「ニーハ」で、昨年5月~6月に大分県の「つくみイル
カ島」で自然繁殖に挑んだが妊娠には至らなかった。昨年9月に神戸市立須磨海浜水族園から提供された雄のバンドウイルカの精子で人工授精に成功し、赤ちゃんが誕生したという。
イルカの子育ては難しいとされていて、母親イルカが初産の場合、子供の生存率はさらに下がる。そのため、同水族館では妊娠中から道具や授乳シーンをテレビでイルカに見せるなどして、授乳トレーニングを重ねてきた。
国際社会からの批判を受けて、日本動物園水族館協会(JAZA)は和歌山県太地町で行われている、イルカの追い込み漁から野生イルカを入手することを禁止。自然繁殖だけでは個体数の維持が難しくなるため、国内の水族館はイルカの人工授精に力を入れている。
しかし、人工受精でこれまで成功しているのは鴨川シーワールド(千葉)2例、名古屋港水族館(名古屋市)1例のみで、今回が4例目となる。
川久保館長は「まだ心配もあるが、今後もしっかり見守っていきたい」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20180927/k00/00e/040/296000c
<2018/09/27 毎日新聞>