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新潟 猛暑で乳量減り 酪農家の廃業続く

投稿者:AsaT

新潟県では2023年、猛暑が原因で57頭の乳牛が死んだ。2024年も猛暑が列島を襲う中、県内の酪農家が対策を進めている。

記事によると、2023年8月、新潟市西蒲区の牛舎では異変が起きていた。牛舎内の気温は35℃。腹が絶えず上下し、舌を出したまま荒々しく呼吸するウシは本当に苦しそうだった。

この牛舎を運営する藤田毅さんは「ウシは暑さに弱い。本来の体温は38度だが、この暑さで39度を超えている」と、猛暑がウシに与える深刻なダメージを嘆いていた。 2023年の夏は、日中の気温が高かったことに加え、夜中の気温が25度を下回らない熱帯夜が続き、ウシは体力を消耗。食欲も落ちた結果、県内全体で57頭の乳牛が死んだ。藤田さんの牛舎でも2頭が命を落とした。

止まらない円安で飼料価格の高騰が続き、酪農経営が厳しさを増す中、2023年、暑さの影響から生きているウシの乳量が減ったことで状況はさらに悪化。 新潟県ではこの1年で、7軒の酪農家が廃業した。

藤田さんは、「2023年夏のダメージが大きすぎて、離農が止まらない」と、危機感を募らせる。 ここ数年、県内酪農家の廃業は続いており、安定供給への心配も拭えない。また、暑さでウシが苦しみ息を引き取ることは、酪農家にとって心情的にもつらいものだ。 藤田さんは言葉に力を込めた。「それが一番残念なこと。日頃ずっと飼っているもの、生きているものだから」 今後も夏の猛暑が続くと予想されるなか、ウシという大切なパートナーの命と健康を守るための対策は急務だ。

そこで取られた対策は、新しい「ミスト噴射システム」の導入だ。 噴射ノズルの精度が向上したほか、事前に設定した温度に外気が達すると、自動でミストが噴射されるようになった。 藤田さんは「ウシの状態を四六時中見ていなくても、おおよそのカバーはできるはず」と効果を期待する。

さらに、風やミストをウシに届ける換気扇に「マフラー」と呼ばれる帽子のつばのような部品を新たに設置。風やミストがまっすぐウシに届くことで、これまでの1.5倍の冷却効果があるとみられている。 新しい機材の導入には約220万円かかったが、半分は国や県の補助金で賄うことができた。

酪農家にとって、ウシへの猛暑対策は牛乳の安定供給に直結する重要な業務となっている。 藤田さんは今回実施した対策による効果を分析し、2025年夏以降もウシにとってより良い環境をつくりだしていこうと考えている。

ウシの命を守り、牛乳の生産量を維持しようと取り組む現場を取材した。


https://www.fnn.jp/articles/-/733528

<2024/08/03  NST新潟総合テレビ>

新潟 猛暑で乳量減り 酪農家の廃業続く(写真と記事は関係ありません)

 

 

 


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