ニュース

オランダ研究 飼い主が感染者なら ペットの犬や猫のコロナ陽性率は約2割

投稿者:AsaT

オランダの研究によると、新型コロナウイルスに感染している人が猫や犬を飼っている場合、ペットも罹患(りかん)していることが珍しくないとする研究結果が発表された。

ユトレヒト大学の研究では、オランダ国内で過去200日以内に新型ウイルス検査で陽性と判定された人がいる家庭に移動動物病院の車両を派遣。ペットの猫と犬から綿棒で検体を採り、現在感染しているか調べたほか、血液検査も行い抗体の有無を調べ、過去に感染したかも探った。

新型ウイルス感染者の居る196世帯のペット310匹から綿棒で検体を採取。猫6匹、犬7匹が陽性と判定された。他の54匹も、ウイルスの抗体検査の結果が陽性だった。欧州微生物・感染症学会では、次の結果が発表では、「4.2%で同じ時期に感染している証拠が見つかった」「17.4%で抗体検査の結果が陽性」だったという。

追跡調査では、PCR検査で陽性と判定されたすべての動物が感染から抜け出し、体内に抗体ができていた事が分かっている。研究者らは、感染経路で最も可能性が高いのは「人間から動物」であり、その逆ではないとしている。

オランダ・ユトレヒト大学のエルス・ブルンス博士は「現時点ではその(効果を示す)科学的証拠は見当たらない」と述べたが、「飼い主がペットから新型ウイルスに感染するリスクは0%とは言えない」と話しており、ロシアでは獣医師らが動物へのワクチン接種を始めている事も明らかになっている。

ほかにも、カナダ・オンタリオ州のゲルフ大学による別の研究では、飼い主と一緒に寝る猫には感染リスクが特に高いとの結果が出ている。

77世帯の猫48匹、犬54匹に新型ウイルスの抗体検査を実施。同時に飼い主からペットとの過ごし方について聞いた。その結果、猫の約67%と犬の43%が陽性と判定。動物シェルターの犬と猫の陽性率は9%、野良猫の陽性率が3%だったのと比べて高率だった。

また、ペットの4分の1が食欲減退や呼吸困難などのCOVID-19の症状を示し、発症した動物の大多数は軽症だったが、3匹が重症化した。猫は犬に比べて飼い主の顔の近くで寝ることが多く、それが感染リスクを高めていると分析している。

英ケンブリッジ大学獣医学部長のジェイムズ・ウッド教授は、上述の2つの研究と他の証拠から、相当な割合の猫と犬が飼い主から新型ウイルスに感染している可能性がうかがえると述べた。

だが、新型ウイルスは通常、犬や猫から他の動物や飼い主には感染しないと思われ、多くの報告が、感染症状が見られないようだとしているとも話している。

「オランダの研究は熱を入れて実施され、感染者に飼われているペットの約20%が感染している可能性があることを示した。そして、人間と同様に、感染はやがて解消されることも明らかにした」


https://www.bbc.com/japanese/57675687

<2021/07/01 BBC NEWS>

オランダ 飼い主が感染者の場合 ペットの犬や猫のコロナ陽性率は約2割(写真と記事は関係ありません)

 

 


コメントする