「キャットフレンドリー」。
とりわけストレスを受けやすい猫の診察において、彼らに優しく接し、ストレスフリーな環境を整備することが重要だとされている。しかし、キャットフレンドリーとは何かについては議論の余地があり、動物医療スタッフごとに様変わりしてしまうことがあるのだ。
果たして、キャットフレンドリーを実践していると自負するスタッフは、猫にどのような態度を取っているのだろうか。正に優しい態度なのだろうか。あるいは・・・・・。
冒頭のような背景の中、イギリスの大学および動物保護団体らは、ドイツ、フランス、スイスで働く獣医師を対象にして、キャットフレンドリーの実践状況をアンケートで聴き取る研究を行った。すると、500名以上から回答を得て、以下に示す事項が明らかになったという。
◆欧州3ヶ国のキャットフレンドリー実践状況◆
・約36%の回答者が猫を大人しくさせるために彼らの首を掴んでいた
・約52%の回答者が今後の診察をスムーズに進めるために抗不安薬を処方していた
・約17%の回答者が診察中のストレスを軽減するために抗不安薬を使用していた
・約62%の回答者が自宅から病院への移動に関する猫のストレスを意識していなかった
・「病院経営の責任者ではなく従業員であること」はキャットフレンドリーの実践状況を低下させた
・「キャットフレンドリーに関するガイドラインを認識していること」はキャットフレンドリーの実践と関連していた
・「動物行動学に関するトレーニングを受けていること」はキャットフレンドリーの実践と関連していた
・「キャットフレンドリーに関する認定病院で働くこと」は実践状況を良くしていた
上記のことから、キャットフレンドリーを学び、理解し、意識することで、猫に優しい医療を提供することができると考えられる。裏を返せば、キャットフレンドリーという概念に向き合わなければ、診察対象の猫に過度のストレスを与えかねないと言えるのではないだろうか。よって、ストレスフリーな動物医療の実現を願う獣医師は、キャットフレンドリーについて学ぶことを検討することをお薦めする。

論文を発表した大学らは、抗不安薬の使用を肯定的に捉えているようです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40008564/


