猫を飼う時にペットショップからではなく、保健所や保護団体から迎え入れるという選択肢が広まりつつあり、猫の殺処分数は年々減っている。自治体によっては殺処分ゼロ達成を発表しているところもある。
記事では「都道府県・指定都市・中核市における猫の引取り状況」のデーターに着目。収容される数や殺処分数は年々減少しているが、返還や譲渡される猫の数が増加していることがわかる。
自治体の殺処分ゼロ発言は素晴らしいが、その背景には猫達を保健所などから引き取っている、保護団体の存在があることを忘れてはいけない。
「猫の方舟レスキュー隊」(東京都板橋区)代表の秋葉雅子さんによると、東京都動物愛護相談センターより今まで100頭以上の猫を引き取ったそう。引き取った猫のうち、9割はそのままセンターにいたら殺処分されていた猫たちだ。
愛護センターから引き取った猫は自分達が運営するシェルターで世話をしながら、里親を探したという。その結果、高齢の猫でシェルターで息を引き取った猫以外、ほとんどの猫に新しい家族を見つけることが出来たのだそう。
猫の方舟では愛護センターからの引き取り以外にも、野良猫(主に虐待された猫、負傷猫、子猫)の保護や飼い主に捨てられた猫、多頭崩壊現場から救出した猫も保護し、里親を探している。
しかし、里親が見つかっても、すぐに別の猫がシェルターにやってくるので、シェルターはいつも一杯の状態だという。
保護活動に疲弊し、パンク寸前で悲鳴をあげている保護団体や個人のボランティアは少なくないようだ。保護団体への負担を減らすには、野良猫の不妊・去勢手術の推進や自治体による補助金の充実、ペットショップの生態販売のあり方など課題は多い。
だが、何より大切なのが、「ペットは家族という意識をもってもらうこと」ではないだろうか。家族だったら簡単に捨てるという選択はとられないはず。この当たり前のことが共有されることで「捨てられる猫」は減っていくのではないだろうか。
<サライ.jp 4/12(水) 21:10配信>