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酪農大 安楽死処分前の実験犬を 学生へ譲渡

投稿者:AsaT

「しょうゆ」というビーグル犬は酪農学園大で実験動物として安楽死が決まっていたが、世話係をしていた学生に引き取られ、家族として大切に飼われている。どういった経緯だったのだろうか。

酪農学園大(北海道江別市)で2018年の春まで、学生の麻酔や身体検査などの実習用の実験犬だった「しょうゆ」(雌のビーグル・10歳)は、獣医学類6年生の三宅史さん(23)の自宅に引き取られ、現在はのびのびと生活している。

記事によると、三宅さんは4年生の時からしょうゆの世話係として、えさやり、糞尿の始末、シャンプー、爪切り、散歩などを行っていた。人が来るとすぐ寝転がって、お腹を見せるくらいフレンドリーだったと三宅さんは話す。

実験犬は高齢になったら研究用に安楽死処分されると聞いていたが、今年の3月にしょうゆも実験に使われると知り、三宅さんはショックを受けた。自分には何もできないが、せめて毎日散歩に連れて行こうと決めたという。しかし、嬉しそうに走っている姿を見て「こんなに元気なのにかわいそう。私にできることは何でもやらなければ」と、大学へ引取りを願い出た。

しかし、しょうゆは教員らで構成される、動物実験委員会で実験計画が審議中の真っ只中だった。間もなく承認される予定のため譲渡は難しい状況だったが、委員の一人の高橋優子准教授(獣医倫理学)が「世話をしていた犬には感情的なつながりができる。引き取り希望の学生がいるのに、実験動物に使うことに疑問を感じる」と再考を求めてくれた。

実験委員会は実験責任者の教員と実験データへの影響などを検討した上で、しょうゆを譲渡することにしたという。大学は今後も学生らから譲り受けたいという相談があった場合、その都度対応していくという。「こうした譲渡事例は酪農学園大が初では」と、委員長を務める大杉剛生教授は話している。

大杉教授は「われわれの世代は、実験動物は最後まで使うと教え込まれてきた。犬は大学が購入したもので、本来は実験に回すのが先。ただし、酪農学園大はキリスト教に基づく建学精神があり、今回は高橋准教授の意見、世の中の動物福祉の潮流など総合的に勘案しました」と述べた。


https://www.jiji.com/jc/v4?id=201812shouyu0001

<2018年12月23日 時事ドットコムニュース>

酪農大 安楽死処分前の実験犬を 学生へ譲渡

 

 


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