木目調を意識した暖かみのある内装や、心理学的に落ち着く色合いや緊張しにくい壁紙を使うなど、ネガティブなイメージを変える内装や備品などを設置している病院が増えてきました。昨年、横浜市立大ではデザインの力でヘルスケアの課題を解決する、ユニークな研究組織が誕生しました。
記事によると、横浜市立大の医学部がある福浦キャンパス(横浜市金沢区)の先端医科学研究センターの一角に、「コミュニケーション・デザイン・センター」(YCU―CDC)が昨年10月に本格オープン。デザインの力でヘルスケアの課題を解決する「広告医学」を具現化していくようです。
デザインには白衣の袖からちらっと見える「耳」をめくると、猫や犬などのワッペンが飛び出す「いないいない白衣」があります。子供は「白衣=怖い」とイメージを抱きがちなので、イメージを変えて落ち着いて診察を受けれるようにと考えられたのだそう。
ほかにも、市販化に向けて準備が進んでいる「アラートパンツ」は、ウエスト部分がメタボリックシンドロームの基準値である85センチ以上に伸びると色が変わる特殊な折り方の下着で、痩せようと自然に思わせる狙いがあるようです。
待ちくたびれることがある待合室でのプロジェクトもあり、視力トレーニングになる画像をイスに貼ったり、アーティストが作成した映像作品をロビーの壁や天井に投影するなど、ネガティブな病院のイメージを変え、策を生み出すことがミッションになっているそうです。
こうした「広告医学」という考え方を提唱したのは、同大教授の武部貴則さん(32)だ。
<2019/03/03 朝日新聞DIGITAL>